「プロの技」

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08. 企業の「第一印象」

 「第一印象」が大切である事は、今更申し上げるまでも無いでしょう。
第一印象は「最初の10秒で決まってしまう」のだそうです。しかも、なかなか払拭する事が難しい。
決して疎かにしてはならない事柄なのです。

 さて、第一印象を決める大きな要因は三つある様です。

1.清潔感
2.表情
3.声のトーン

 1.2.は出会った瞬間に視覚に訴えるもの。3.は聴覚に訴えるもの。
たったの10秒で決まってしまう。
思いのほか怖い事実です。

 さて、ここでは人間に対する第一印象について述べる事は致しません。
企業や団体等に対する第一印象について、考察してみたいと思います。

 私のお取引様の多くは卸売業に属します。
卸売業の場合は小売業とは異なり、日々の来訪者はそれ程多くはありません。
だからでしょうか、大変申し上げ難い事ですが、社屋がかなり老朽化して外観が見るに堪えない状態だったり、玄関先が至って殺風景であったりしても、気に留められていないケースが少なくない様です。

 しかし、それで良いのでしょうか?
私は仕事柄、様々な企業のオフィスの現場まで立ち入らせて頂く事が少なくありません。
建屋の外観を観て、玄関に入り、廊下を通って奥の部屋へ。
時には、先ずトイレを使わせて頂く事もあります。

 オフィスのイメージとして100社100様の印象を抱きます。
卸売業の社屋に関して、有体に感想を申し上げますと、何かしら殺伐とした乾いたイメージを感じる事が少なくありません。
大勢の一般客が訪れる場所ではないので、過剰なデコレーションは必要が無いのかもしれませんが、何かしらの乾いた印象を受ける場合は、些か戸惑いを感じます。
「乾いた社風の企業なんだろうなあ」と思ってしまいます。

 逆に、たった一輪の花や、絵画等を玄関口に見つけると、良好な社風である事が感じ取れるのです。
そうそう、トイレについて。
昔から「トイレを観ると家柄や社風が判る」と言いますが、その通りだと思います。
美しいか汚れているかは、敢えてここで申し上げるべくも無いでしょう。
如何でしょうか、最近は昔ながらの和式の便器では、違和感を感じませんでしょうか?
少なくとも来客者が使う可能性のあるトイレには、少しく心遣いをすべきだと、私はそう思います。

 さて、執務室です。
ITトラブル等で参上した際に強く感じる事が少なくない事。「汚いなあ!」です。
IT機器に接続される電源やネットワークケーブルを辿って、デスクの下を覗く事がありますが、「勘弁して欲しいなあ」と思う事も。
デスクの下ですから、ある程度の埃が溜まるのは致し方ありませんが、年末の大掃除も何年も行っていないのでは無いかと思うような事も。
そんな職場で社員は気持ち良く働く事が出来ているのでしょうか。

 以上、企業の「表情」「清潔感」に関して、私が感じる事を率直に申し上げました。
参考になれば幸いです。

 残る「声のトーン」につきましては、次号で話をさせて頂きます。



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